タイトーは、1965年に発表された国産初のクレーンゲーム機とされる「クラウン602」を探す全国捜索プロジェクトの中で、後継機「クラウン603」を発見し、入手しました。同社の技術サポート部門「TAITOTECH(タイトーテック)」がこの機体を整備し、約60年の時を経て完全に稼働する状態へよみがえらせることに成功しています。なお、1965年には国産クレーンゲーム機が複数種発売されたと言われています。
「クラウン602」捜索の過程で見つかった直系の後継モデル
タイトーは、日本のアーケードゲーム文化のルーツと技術資産を未来へ受け継ぐため、2025年秋から「クラウン602」に関する情報提供を全国に呼びかけてきました。プロジェクトには全国から4,400件を超える情報やメッセージが寄せられました。
2026年3月、「クラウン602」そのものは見つからなかったものの、その直系にあたる貴重な後継モデル「クラウン603」の現存個体が捜索と情報提供の過程で奇跡的に発見され、タイトーが入手するに至りました。
TAITOTECHの手で約60年の眠りから目覚める
製造から約60年、長く眠っていた「クラウン603」は、TAITOTECHによって再び動き出しました。最新の機器にはない独特の構造や存在感、時代を感じさせる動きのひとつひとつが、当時のアミューズメント文化や技術を今に伝えています。古いゲーム機を単に廃棄せず、できる限り分解・修繕して再び動かすという今回の取り組みは、貴重な機体を後世に残すだけでなく、タイトーが受け継いできた技術を次世代へ伝える重要な機会になったとしています。
TAITOTECHの担当者は「クラウン603が再び動いた瞬間は、約60年分の時間が一気につながったように感じました」とコメント。古い機器は状態を見ながら一つひとつ手を入れる必要があり、分解できる箇所は分解して内部を確認し、修繕するという積み重ねで本来の動きを取り戻せたと振り返っています。
オーバーホールで手を入れたポイント
- 電気系統・制御回路の現代的整備:経年劣化が進んだ配線や配電回路を、安全面と耐久性に配慮して再構築し、コイン投入からプレイ終了までの一連の動作を復元
- キャビネットおよび装飾のレストア:木製キャビネットやアクリル装飾の傷を修復し、稼働当時の佇まいとノスタルジックな動作音を再現
TAITOTECHは、全国のアミューズメント施設やオペレーターが安心して店舗を運営できるよう、最新機器からレトロ筐体まで幅広く保守サポートを行う部門です。法人向けWEBポータルサイト「TAITOTECH」を通じて、パーツ販売やトラブルシューティングなどのサポートも提供しています。タイトーは、今回「クラウン603」を完全稼働へ導いた技術力と情熱が、現場サポートを支える大きな原動力になっているとしています。
「AMUSEMENT EXPO2026」で展示予定
完全稼働を果たした「クラウン603」は、クレーンゲームの歴史を物語る自社アーカイブ資産として保管され、今後は各種イベントや展示会などで特別にお披露目される予定です。
最初の機会として、11月6日、7日に開催される「AMUSEMENT EXPO2026」のタイトーブースで展示される予定となっています。タイトーは今後も、ゲーム文化の保存と発展、そして技術力を通じた価値提供に取り組んでいくとしています。
出典:株式会社タイトー




