体験型エンターテインメントを手がける株式会社ex Labs(イーエックスラボ)が、東京都立夢の島熱帯植物館(東京都江東区)を舞台にした物語体験『午前零時の幻想集 第一夜「草陰の夢」』を開催します。会期は2026年11月5日(木)から22日(日)までの全12日間です。参加者は夜の館内を巡りながら物語を体験します。本公演は、公共文化施設が持つ固有の魅力を活かし、新たな来館体験と収益機会を生み出す同社のエンターテインメント事業の第一弾にあたります。
閉館後の温室で「夢の中の植物館」へ迷い込む
同館は普段17時に閉館します。今回の公演では、通常の開館時間外となる夜の時間帯を利用し、普段は入ることのできない夜の熱帯植物館を、参加者自身が物語の登場人物となって歩きます。静まり返った温室、暗闇の中に浮かび上がる熱帯植物、館内に響く音。こうした夜の植物館ならではの環境を単なる背景として使うのではなく、物語を構成する重要な要素として取り入れています。
参加者は「夢の中の植物館」に迷い込んだ一人として館内を歩き、登場人物と会話を交わしながら、失われた記憶を集めていきます。目指すのは「家に帰る」ことです。約50分間の体験を通じて、普段は植物を観賞する場所である植物館が、参加者自身の物語が進んでいく舞台へと変わります。
客席から物語を鑑賞する一般的な演劇とは異なり、参加者自身がその世界に入り込み、登場人物と関わりながら物語を体験する点が本作の特徴です。最大4名1組の少人数制を採用し、一人ひとりが空間や物語に没入できる設計になっています。また、ホラー要素を抑えることで、初めて触れる人にも参加しやすい作品を目指したとしています。シナリオはタロサカ、演出・デザイン・体験設計を担うディレクターは荒巻まりのが務めます。
文化施設の「空間そのもの」をエンターテインメントに
美術館や博物館、植物園をはじめとする公共文化施設にとって、文化的価値を維持しながら新たな来館者を獲得し、持続可能な運営基盤を築くことは重要なテーマとなっています。2026年度から始まった国立美術館・国立文化財機構・国立科学博物館の中期目標では、展示事業に係る費用に対する自己収入の割合を、2030年度までに65%以上とする目標が設けられました。この目標は国立の独立行政法人を対象としたものですが、公共的な役割を果たしながら収益基盤を強化することへの関心が高まっています。
こうした状況のなかで、ex Labsは文化施設の「空間そのものの魅力」に着目しました。施設を単なるイベント会場として利用するのではなく、その場所でしか成立しないエンターテインメントをつくるという考え方です。これにより、これまで施設を訪れる機会が少なかった人にも足を運んでもらい、新たな収益機会を生み出すことを目指しています。今回の公演で同社が掲げる価値創出は、主に次の3つです。
- 施設そのものを目的地にする、新しい来館体験
- 既存の施設運営と両立しながら、新たな収益機会を創出
- 文化とエンターテインメントが互いの魅力を高め合う体験をつくる
収益面では、通常の開館時間外である夜間に有料の体験型コンテンツを提供し、入館料だけに依存しない収益機会の創出を目指します。企画制作からチケット販売、集客、当日運営まではex Labsが一貫して担当し、チケット収入を基盤とする事業モデルを構築します。施設側が新たな企画制作体制を一から整えるのではなく、エンターテインメント制作の専門性を持つ同社が実行部分を担うことで、既存の施設運営との両立を図るとしています。
植物館と制作陣が語る、新しい「ゆめねつ」の楽しみ方
アメニス夢の島グループ統括責任者の遠藤岳生氏は、同館が毎年夏に「夜間開館」を実施していることを紹介しています。営業時間を延長して「夜に咲く花」を鑑賞してもらうことや、日本の熱帯「奄美」を植物だけでなく音楽を通して楽しんでもらうことが目的です。そのうえで、昨年からは従来の夜間開館とは違った切り口で、植物館の新たな楽しみ方を提案していると説明しました。今回の公演についても、「物語体験」という新たな楽しみ方を多くの年齢層の人に体験してもらい、昼間とは一味違った「ゆめねつ」を楽しんでほしいとコメントしています。
ex Labs代表取締役の飯田雄貴氏は、美術館や植物館、博物館には、まだ十分に知られていない魅力が数多くあると感じていると述べました。夜の温室ならではの特別な空間を物語の舞台にすることで、これまで植物館に興味を持っていなかった人にも足を運んでもらうきっかけをつくりたいと語っています。さらに「面白い体験をつくることが、施設の魅力を広めることにも、収益を生み出すことにもつながる」として、そうした文化施設とエンターテインメントの関係を今回の公演から形にしていきたいとしています。
ex Labsは、体験型エンターテインメント領域を主軸とする東京大学発のクリエイティブカンパニーです。謎解き、マーダーミステリー、イマーシブ体験、頭脳戦ゲームなど、参加者自身が物語やゲームの世界に入り込むコンテンツを企画・制作・運営しており、これまでの累計体験者数は15,000人を超えています。今後も美術館・博物館・植物園など、それぞれの施設が持つ魅力を活かしたコンテンツの開発に取り組むとしています。
公演概要
- 公演名:午前零時の幻想集 第一夜「草陰の夢」
- 会場:夢の島熱帯植物館(東京都江東区夢の島2-1-2 夢の島公園内)
- 開催日:2026年11月5日(木)〜8日(日)、12日(木)〜15日(日)、19日(木)〜22日(日)/全12日間
- 開始時間:各日17:00〜20:00、12分間隔で開催(最終回20:50終了予定)
- 所要時間:約50分
- 参加人数:最大4名1組(1名から参加可能)
- 料金:個別チケット3,500円/人、グループチケット14,000円/組(最大4名貸切)
- 対象年齢:中学生以上(18歳未満は保護者同伴)
- チケット販売:escape.id
- シナリオ:タロサカ
- ディレクター(演出・デザイン・体験設計):荒巻まりの
料金は税込・入館料込みです。チケット購入時に別途手数料が発生する場合があります。
出典:株式会社ex Labs




