
“Arab’n’ B”とストリングスが交わる深夜のダンスポップ
ポップとクラシックを掛け合わせたサウンドで知られる英国出身のエレクトロユニット、クリーン・バンディット(Clean Bandit)が、新曲「La Dolce Vita」をリリースしました。今作でタッグを組んだのは、パレスチナ系イタリア人のシンガーソングライター、ターラ(TÄRA)です。グラミー賞受賞アーティストと新進気鋭のスターが、楽曲制作からパフォーマンスまで一緒に手がけています。
メロディアスで高揚感のあるダンスチューンの核になっているのは、ターラ自身が“Arab’n’ B(アラブ&ビー)”と呼ぶスタイルです。現代的なR&Bとアラブ音楽が自然に溶け合い、バイリンガルなボーカルと新進スターらしいエネルギーが詰め込まれています。その背景には、クリーン・バンディットならではのストリングスと、アンセム調のポップシンセが重なるサウンドスケープが広がっています。
「La Dolce Vita」は、クリーン・バンディットが来年、自身のレーベル“CB X”からリリースする予定のニューアルバムの先行シングルです。随所にレバント地方(東地中海沿岸地域)の空気が漂う、深みのある深夜のダンスポップに仕上がりました。ターラはイタリア語とアラビア語を使い分け、短い冬に差し込む暖かな地中海の光のような歌声で曲全体を包み込みます。クラシカルな趣とクラブのエネルギーを融合させながら、“目を背けること”について問いかける一曲です。
- アーティスト:Clean Bandit & TÄRA(クリーン・バンディット & ターラ)
- 楽曲:ニュー・シングル「La Dolce Vita」
- レーベル:CB X
- 配信中
テーマは“現実逃避のほろ苦さ” 3人が語る制作の舞台裏
ターラによると、この曲は、安らぎや快楽に浸るあまり、身近で起きている不正や苦しみから目をそらしてしまうことがどれほど簡単かを描いたものだといいます。目を背けることで得られるひとときの甘さと、見ようとしないことの苦さ。その両面を持つ現実逃避のほろ苦さを歌っていると語っています。
クリーン・バンディットでバイオリンやチェロなどを担当するグレース・チャトーは、「私にとってターラは、現在世界で最も刺激的なアーティストの一人」と表現しました。これまで数多くのアーティストとコラボレーションしてきたなかでも、今年初めにターラがスタジオに来たときはまったく違う感覚があったと振り返ります。アラビアとイタリアのサウンドを融合させる手法は唯一無二で、これまで聴いたことがないものだと評し、ミュージシャンとしても映像監督としても彼女と仕事ができたことを「この上なく光栄」だと述べています。
ベースやサックス、キーボードなどを担当するジャック・パターソンは、歌詞に込められた皮肉っぽさをうまく引き出すことを意識して制作したとコメント。これまで楽曲制作に使ったことのない美しいアラブの楽器をターラが紹介してくれたことにも触れ、弦楽器のパート作りもとても楽しかったと話しています。ナポリ近郊の小さな町で行われたミュージックビデオの撮影ではターラが監督を務め、そのビジョンが形になっていく様子を「本当に見事」と称賛。自身の役回りがほぼ釣りとスパゲティを食べることだったのも最高だった、と明かしています。
ミュージックビデオ「Clean Bandit x TÄRA – La Dolce Vita (Official Video)」は、ターラが企画と監督を担当し、今年の初夏にイタリア・ラツィオ州のサン・ジョルジョ・ア・リーリで撮影されました。
ターラとクリーン・バンディット、それぞれの歩み
ターラ(TÄRA)
パレスチナとイタリアにルーツを持つターラは、現代的R&B、オルタナティブPOP、伝統的なアラブ音楽を交差させた独自の音楽言語を生み出すシンガーソングライターです。多様な言語やリズム、イメージを織り交ぜた“Arab’n’ B”サウンドで、アイデンティティ、ディアスポラ、帰属意識といったテーマを、直感的で感情に訴えかける現代的なスタイルへと昇華させています。2026年5月にはTroppo Records / Sony Musicから、「Mezzaluna」「Diaspora」「Hala」「Petra」「Yafa」「Zefiro」の全6曲を収めたデビューEP『Zefiro』をリリース。エメル(EMEL)との「You Cannot Erase Us」や、サブソニカ(Subsonica)のアルバム『Terre Rare』に唯一のフィーチャリング・アーティストとして参加した「Straniero」など、国内外の著名アーティストとのコラボレーションでも注目を集めています。
クリーン・バンディット(Clean Bandit)
クリーン・バンディットは、2009年にケンブリッジでグレース・チャトーとジャック・パターソンが結成したクリエイティブ・コレクティブです。最高水準のプロダクションとクラシック音楽の緻密さに、エレクトロニックダンスミュージックのエネルギーを掛け合わせ、累計ストリーミング再生数10億超えの「Rather Be」「Rockabye」「Symphony」「Solo」など、時代を象徴する世界的ヒットを数々生み出してきました。結成当初から、音楽、ビジュアル、映像制作、ストーリーテリングを包括する共同体的なDIY精神を掲げ、伝説となった学生クラブイベント“ナショナル・レール・ディスコ”では、ドラマーのルーク・パターソンも加わって弦楽器の生演奏とディープハウスやダンス・ポップのDJセットを融合させていました。ミュージックビデオの脚本・監督・プロデュースを自ら手がけ、チャーリーXCX、デミ・ロヴァート、リゾ、ショーン・ポール、ザラ・ラーソンなど、新進気鋭から大御所まで多彩なアーティストとコラボレーションを重ね、グラミー賞を受賞する世界的ポップスターへと成長しました。
現在はインディペンデント・レーベル“CB X”を立ち上げ、これまで以上に自主性と創造的な刺激に満ちた新章へと踏み出しています。“CB X”の“X”は、コラボレーションがもたらす創造の自由、目的意識、無限の可能性を表しています。CB Xは、名の知れたベテランから次世代の才能まで、ジャンルにとらわれず進化し続けるアーティストとプロデューサー集団による新たなクリエイティブ拠点です。




